セット内容
- 誓約書(入社時・一般)Word形式
- 誓約事項の解説(法令遵守・SNS利用・貸与品管理等)
- 運用ガイド(提出タイミング・保管方法)
こんな場面で
初めて採用活動を行う小規模事業者が、入社手続きの一環として一般的な誓約事項を書面化したい場面。
特長
- 法令遵守・SNS利用・貸与品管理など実務上トラブルになりやすい項目を網羅
- 秘密保持誓約書(juyoin-hiitsuho-seiyaku)とは別に一般的な服務誓約を整理
- 入社手続きテンプレート一式として毎月安定した利用を想定
誓約書(入社時・一般)(監修用ドラフト)
⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。
商品ID: jinji-mikomisho / 価格: 980円 / 立場バージョン: 使用者側
本ドラフトは、入社時に従業員から使用者へ提出させる一般的な誓約書の書式を第1部に掲載し、第2部で採用区分・雇用形態に応じた修正パターンを提示する構成とする。秘密保持に関する詳細な規定は別商品「秘密保持誓約書(従業員用)」に譲り、本商品では簡潔な言及にとどめる。
なお、本商品は入社手続きの一環として日常的に利用されることを想定した低価格帯の商品であるため、条項の網羅性よりも、実務上頻出する誓約事項を過不足なく収録することを重視した構成としている。
第1部: 本文全文
誓約書
〇〇〇〇株式会社 御中
私は、貴社に入社するにあたり、下記事項を誓約いたします。
1. 法令及び諸規程の遵守
私は、貴社の就業規則その他諸規程及び関係法令を遵守し、誠実に業務を遂行いたします。
2. 経歴等の申告内容の正確性
私が採用選考にあたり貴社に提出した履歴書、職務経歴書その他の書類の記載内容及び面接等で申告した経歴(学歴、職歴、資格、健康状態等を含む。)について、虚偽の申告がないことを誓約いたします。万一、虚偽の申告があったことが判明した場合には、貴社就業規則の定めるところに従い、懲戒処分(懲戒解雇を含む。)その他の措置を受けても異議ございません。
3. 秘密情報の取扱い
私は、業務上知り得た貴社及び貴社の取引先の秘密情報を、在職中はもとより退職後においても第三者に開示又は漏えいせず、また私的に使用しないことを誓約いたします。秘密情報の取扱いに関する詳細な事項については、別途貴社に提出する秘密保持誓約書及び貴社就業規則の定めるところに従います。
4. SNS・インターネット利用における信用毀損行為の禁止
私は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)その他インターネット上のサービスを利用するにあたり、貴社、貴社の役員・従業員又は貴社の取引先の名誉若しくは信用を毀損する投稿、業務上知り得た情報の無断公開その他貴社の信用を毀損するおそれのある行為を行わないことを誓約いたします。
5. 貸与品の管理及び返還
私は、貴社から業務のために貸与を受けたパーソナルコンピュータ、スマートフォン、社員証、鍵その他の物品(データ及び記録媒体を含む。以下「貸与品」という。)を善良な管理者の注意をもって管理し、私的に使用せず、退職その他の事由により貸与を受ける必要がなくなったときは、速やかに貴社に返還いたします。
6. 反社会的勢力との関係の不存在
私は、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者(以下「反社会的勢力」という。)に該当せず、また反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しないことを表明いたします。
7. 副業・兼業に関する事前届出
私は、貴社に在職中に副業又は兼業を行おうとするときは、事前に貴社所定の手続により届出を行い、貴社就業規則の定める許可その他の手続に従います。
8. 健康状態の申告
私は、業務の遂行に支障を及ぼすおそれのある傷病その他の健康上の事情がある場合には、速やかに貴社に申告いたします。
9. 個人情報の取扱いへの同意
私は、貴社が私の個人情報を、労務管理、給与計算、社会保険手続その他の人事労務上の業務遂行に必要な範囲で利用することに同意いたします。
10. 誓約事項違反時の措置
私は、本誓約書に記載の事項に違反した場合、貴社就業規則の定めるところにより懲戒処分を受け、又はこれにより貴社に生じた損害を賠償する責めを負うことがあることを承知しております。
私は、本誓約書に記載された各事項の内容を十分に理解した上で、以上のとおり相違ないことを誓約いたします。
〇〇〇〇年〇〇月〇〇日
住所 氏名 印
〇〇〇〇株式会社 御中
第2部: 採用区分・雇用形態別修正パターン
本商品は使用者側単一の立場を前提とするため、採用区分(新卒/中途)及び雇用形態(正社員/契約社員・アルバイト等)に応じた修正パターンを以下に示す。
誓約書は雇用契約書や労働条件通知書と異なり書式の自由度が高く、業種・企業規模・採用ポリシーに応じて記載事項を柔軟に増減させやすい書面である。以下のA〜Eの各パターンは、いずれか一つのみを採用する場合もあれば、複数のパターンを組み合わせて自社仕様にカスタマイズする場合もある実務上の代表例である。
A. 新卒採用向けの修正
A-1. 経歴詐称に関する条項(第2項)の簡略化
修正後: 「私が採用選考にあたり貴社に提出した履歴書その他の書類の記載内容(学歴、資格等を含む。)について、虚偽の申告がないことを誓約いたします。」
解説: 新卒採用では前職の職歴申告が想定されないため、「職歴」を項目から外し、学歴・資格等を中心とした記載に簡略化する。学校推薦や研修期間の有無など、新卒特有の事情がある場合は別途条項の追加を検討する。
A-2. 研修期間中の遵守事項の追加
追加条文例: 「11. 私は、入社後に貴社が実施する新入社員研修その他の教育プログラムに誠実に参加し、研修中に知り得た貴社の情報についても本誓約書の各事項を遵守いたします。」
解説: 新卒採用では入社後一定期間の研修が予定されていることが多く、研修期間中の情報管理・態度についても誓約事項に含める例がある。
B. 中途採用向けの修正
B-1. 経歴詐称に関する条項(第2項)の詳細化
修正後: 「私が採用選考にあたり貴社に提出した履歴書、職務経歴書その他の書類の記載内容(学歴、職歴、資格、退職理由、前職における役職・給与、健康状態等を含む。)及び面接等で申告した内容について、虚偽の申告がないことを誓約いたします。」
解説: 中途採用では前職の職歴・退職理由・処遇等の申告内容が採用可否の重要な判断要素となることが多く、経歴詐称条項を手厚くする例が一般的である。経歴詐称が発覚した場合の懲戒解雇の有効性は、詐称の内容が採用決定に重要な影響を及ぼした事項であったか等の事情によって判断されるとされるため、就業規則側の懲戒事由の整備状況とあわせて確認することが望ましい。
B-2. 前職との競業避止・秘密保持に関する誓約の追加
追加条文例: 「12. 私は、前職の使用者に対して負う秘密保持義務又は競業避止義務に違反する行為を貴社の業務において行わないこと、また前職の使用者の秘密情報を貴社に持ち込まないことを誓約いたします。」
解説: 中途採用者が前職の秘密情報を新しい使用者の業務に持ち込むと、新使用者側が前職の使用者から不正競争防止法上の責任を問われるリスクがあるため、採用時に本人へ注意喚起する意味も含めて追加することが考えられる条項である。
C. 正社員向け/契約社員・アルバイト向けの違い
C-1. 正社員向け(標準版)
第1部の本文をそのまま用いる。
C-2. 契約社員・アルバイト向けの簡略化
修正後の考え方: 副業・兼業に関する届出事項(第7項)について、勤務時間・業務内容の性質上、副業を前提とした働き方であることが多い雇用形態では、「事前届出」を求める内容から「貴社就業規則の定める場合に該当するときは届出を行う」といった程度に簡略化する例がある。また、貸与品の範囲(第5項)についても、契約社員・アルバイトには貸与しない物品がある場合、実態に応じて項目を削除又は追記する。
解説: 雇用形態にかかわらず誓約書自体の必要性は変わらないが、実際に貸与する物品や求める届出事項は雇用形態・職務内容によって異なるため、実態と乖離した誓約事項を含めることは望ましくない。契約更新のたびに誓約書を再取得するかどうかも運用上の論点となる。
D. リモートワーク・在宅勤務を前提とする採用向けの追記
D-1. 標準版(オフィス勤務前提)
第1部の本文をそのまま用いる。
D-2. リモートワーク前提の採用向けの追記
追加条文例: 「11. 私は、在宅勤務その他社外での勤務にあたり、貴社の定める情報セキュリティに関する規程を遵守し、業務用端末及び秘密情報を第三者(同居家族を含む。)の目に触れない状態で管理いたします。また、貴社が指定するセキュリティソフトウェアの導入及び設定変更を行い、私物端末を業務に利用する場合は貴社所定の許可を得ます。」
解説: 在宅勤務・リモートワークを前提として採用する従業員については、オフィス勤務者以上に情報管理上のリスク(画面の覗き見、私物端末の混在利用、公衆Wi-Fiの利用等)が生じやすいため、入社時誓約書の段階でセキュリティ上の遵守事項を明記しておくことが望ましい。具体的な導入ソフトウェア、私物端末利用の可否等は、テレワーク規程側で詳細を定めることが前提となる。
E. 管理職・役職者向けの追記
E-1. 一般社員向け(標準版)
第1部の本文をそのまま用いる。
E-2. 管理職・役職者向けの追記
追加条文例: 「12. 私は、管理職として貴社の労務管理上の責任を負う立場にあることを自覚し、部下・関係者に対するハラスメント行為(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントその他あらゆるハラスメント行為をいう。)を行わないこと、また部下等からハラスメントに関する相談を受けた場合には、速やかに貴社所定の窓口に報告することを誓約いたします。」
解説: 管理職・役職者については、一般社員向けの誓約事項に加えて、労務管理上の責任(部下の労働時間管理、ハラスメント防止措置等)に関する誓約を追加することが考えられる。労働施策総合推進法(いわゆるパワーハラスメント防止法)に基づき事業主に義務付けられているハラスメント防止措置の実効性を高める観点からも、管理職向けに個別の誓約事項を設ける意義があると考えられる。ただし、誓約書上の記載のみでハラスメント防止措置義務を尽くしたことにはならず、就業規則上のハラスメント防止規程及び相談窓口の整備が前提として必要である。
F. 外国人労働者を採用する場合の追記
F-1. 標準版(在留資格の確認を前提としない記載)
第1部の本文をそのまま用いる。
F-2. 外国人労働者向けの追記
追加条文例: 「12. 私は、貴社における就労にあたり適法な在留資格を有していること、及び在留期間中、就労が認められた活動の範囲内で業務に従事することを誓約いたします。また、在留資格の更新手続を怠らず、在留期間の更新又は変更が生じた場合には、速やかに貴社に届け出ます。」
解説: 外国人労働者を採用する場合、使用者には雇用対策法(労働施策総合推進法)に基づく外国人雇用状況の届出義務があるほか、在留資格の範囲外の就労をさせた場合には入管法上の不法就労助長罪に問われるリスクがある。誓約書上に在留資格の適法性・届出義務を明記することで、労働者本人にも在留資格管理の重要性を意識させる効果が期待できるが、使用者自身が在留カードの提示を受けて在留資格・在留期間を確認する体制を別途整備することが前提として必要であり、誓約書の記載のみで使用者の確認義務が軽減されるものではない点に留意する必要がある。翻訳版(多言語対応)の誓約書を用意するかどうかも、実務上の検討事項となる。
G. 派遣社員・出向者を受け入れる場合との違い
G-1. 直接雇用の従業員向け(標準版)
第1部の本文をそのまま用いる。本誓約書は、貴社が直接雇用契約を締結する従業員を対象とする書式である。
G-2. 派遣社員・出向者からの誓約書取得に関する留意点
解説(修正条文例ではなく運用上の留意点): 派遣社員は派遣元事業主と雇用契約を締結しており、就業先(派遣先)である貴社との間に直接の雇用契約関係はない。そのため、本誓約書をそのまま派遣社員に提出させることは、雇用契約関係を前提とした構成上、適切でない場合がある。派遣社員に対して秘密保持等の遵守を求める場合は、労働者派遣契約及び派遣元との間の秘密保持に関する合意(派遣先・派遣元間の契約条項)によって手当てすることが一般的である。出向者についても、出向元との労働契約関係が存続する形態(在籍出向)か、出向先との労働契約関係に切り替わる形態(転籍出向)かによって、本誓約書をそのまま用いることの適否が異なるため、出向契約の内容を確認したうえで判断する必要がある。
H. 情報セキュリティ・データ管理を重視する業種向けの追記
H-1. 標準版
第1部の本文をそのまま用いる。
H-2. 個人情報・機密情報を大量に取り扱う業種(金融・医療・人材関連等)向けの追記
追加条文例: 「13. 私は、貴社が定める情報セキュリティ規程その他の関連規程を確認し、これを遵守すること、また業務上知り得た個人情報(顧客情報、患者情報、求職者情報等、業種の性質に応じて貴社が取り扱う情報を含む。)について、貴社の定める取扱いルールに従い適切に管理することを誓約いたします。」
解説: 金融機関、医療機関、人材紹介業等、法令上の業規制や個人情報保護法上の適正な取得・利用が特に強く求められる業種では、一般的な誓約事項に加えて、業種特有の情報管理ルールの遵守を明記することが考えられる。もっとも、具体的な管理ルールの内容(アクセス権限の設計、ログ管理等)は誓約書ではなく情報セキュリティ規程等の社内規程で定めることが前提であり、誓約書はその遵守を確認する機能にとどまる点に留意する必要がある。
第3部: 逐条解説(購入者向け)
前文 誓約書は、使用者が労働者に対して一方的に提出を求める書面であり、労働者の署名(記名押印)により誓約内容への同意を確認する形式を取る。雇用契約書とは異なり、双方合意による契約書ではなく、労働者側の意思表示(誓約)を記録する書面である点に特徴がある。もっとも、誓約書の内容が労働条件そのものに関わる場合(例えば副業の許可制等)には、就業規則との整合性を欠くと誓約内容の実効性に疑義が生じ得るため、就業規則の内容を前提とした記載にとどめることが望ましい。
誓約書の取得は、入社時の一度限りで完結させる企業もあれば、昇格・異動等の節目ごとに改めて取得する運用を採用する企業もある。いずれの運用を採るかは、企業規模や離職率、取り扱う情報の機密性等を踏まえて判断すべき事項であり、必ずしも一つの正解があるものではない。
また、誓約書はあくまで労働者本人の意思表示を記録する書面であり、内容を十分に理解しないまま署名を求める運用は、後日の紛争において誓約の有効性そのものが争われる一因となりかねない。交付にあたっては、記載事項について口頭での説明を添える等、労働者の理解を確保する運用上の工夫も考慮に値する。
1. 法令及び諸規程の遵守 包括的な遵守義務を確認する導入的な条項。この条項単独で懲戒処分の根拠となるものではなく、具体的な懲戒事由は就業規則に定めることが前提となる。誓約書はあくまで労働者本人に遵守意識を再確認させる機能を持つ書面と位置づけるのが実務上一般的な理解である。
2. 経歴等の申告内容の正確性 経歴詐称があった場合の懲戒処分等の可能性を明示する条項。経歴詐称を理由とする懲戒解雇の有効性は、詐称の内容が労働契約締結の判断に重要な影響を与える事項であったかどうか等の個別事情によって判断されるとされており、本条項があれば経歴詐称があった場合に当然に懲戒解雇が有効になるというものではない点に留意が必要である。就業規則上に経歴詐称を懲戒事由として明記しておくことが前提として重要である。
3. 秘密情報の取扱い 本商品では簡潔な言及にとどめている。秘密情報の定義、目的外使用の禁止、退職後の存続期間、競業避止に関するより詳細な規定を必要とする場合は、別商品「秘密保持誓約書(従業員用)」の利用を案内する構成としている。両商品を併用する場合、記載内容に齟齬が生じないよう用語(秘密情報の定義等)を揃えることが望ましい。
4. SNS・インターネット利用における信用毀損行為の禁止 近年、従業員個人のSNS投稿が会社の信用毀損やレピュテーションリスクにつながる事例が増えていることを踏まえた条項である。私生活上の表現の自由との関係もあるため、業務に関連しない完全に私的な投稿まで一律に制限する趣旨ではなく、会社の信用を毀損するおそれのある行為に限定して禁止する記載としている。実際の投稿内容が懲戒事由に該当するかどうかは、投稿の内容・拡散状況・会社への実害の有無等を踏まえた個別判断になりやすい点にも留意する必要がある。
5. 貸与品の管理及び返還 貸与品の私的使用禁止・返還義務を明確化する条項。退職時のトラブルとして貸与品の未返還は実務上頻出するため、誓約書に明記しておくことが望ましい。貸与品の紛失・毀損時の損害賠償については、労働基準法16条(賠償予定の禁止)との関係で、実損害の賠償を超えるあらかじめ定めた違約金を定めることはできない点に留意する必要がある。
6. 反社会的勢力との関係の不存在 採用時点における反社会的勢力との関係の不存在を確認する条項。多くの企業で採用選考時又は入社時に取得することが一般的になっている表明事項である。反社会的勢力との関係が事後的に判明した場合の解雇・懲戒の根拠は、就業規則側に別途規定しておく必要がある。
7. 副業・兼業に関する事前届出 副業・兼業の許否及び手続は就業規則に委ねる構成とし、誓約書では届出義務の存在のみを確認している。厚生労働省の副業・兼業のガイドラインを踏まえ、合理的な理由のない一律禁止は望ましくないとされる一方、競業避止や労働時間管理(複数就業先の労働時間通算等)の観点から事前届出制を採用する企業が多い。
8. 健康状態の申告 安全配慮義務の履行に資する情報を得るための条項。申告を求める健康情報の範囲は、業務遂行に必要な限度にとどめ、要配慮個人情報の取得・利用について個人情報保護法の趣旨に沿った取扱いをすることが望ましい。
9. 個人情報の取扱いへの同意 労務管理・給与計算等の目的で従業員の個人情報を利用することについて、個人情報保護法の趣旨を踏まえて利用目的を特定し、本人の同意を得ておく趣旨の条項である。要配慮個人情報(健康情報等)を取得する場合は、本条項に加えて取得目的をより具体的に特定することが望ましい場合がある。実務上は、入社時の誓約書における包括的な同意取得に加え、健康診断結果やハラスメント相談内容等、特にセンシティブな情報を取り扱う場面ごとに、目的を明示した個別の同意取得を検討することが望ましい場合もある。
10. 誓約事項違反時の措置 誓約書違反時の措置(懲戒処分・損害賠償)を確認する条項。ただし、誓約書に違反措置を記載しただけでは懲戒処分の直接の法的根拠とはならず、就業規則上の懲戒事由・懲戒手続の定めが前提として必要である点に注意が必要である。損害賠償についても、実際に発生した損害額の立証を要するのが原則であり、誓約書上であらかじめ賠償額を予定する記載(違約金条項)は労働基準法16条により無効となる点に留意する必要がある。誓約書の実効性を高めるためには、記載内容そのものよりも、就業規則の整備状況及び違反発覚時の調査・処分プロセスが適正に機能しているかが重要になる。
第2部D. リモートワーク前提採用向けの追記について 在宅勤務を前提に採用する従業員については、勤務場所がオフィスの外に及ぶことから、情報管理・労務管理の両面で通常のオフィス勤務者と異なる配慮が必要になる。誓約書段階での言及はあくまで注意喚起的なものであり、具体的な機器貸与条件、通信費等の費用負担、労働時間管理の方法(みなし労働時間制の適用可否等)は、テレワーク規程等の社内規程で別途整備することが前提となる。
第2部E. 管理職・役職者向けの追記について 管理職・役職者は、部下に対する労務管理・ハラスメント防止の観点から一般社員と異なる責務を負う立場にある。誓約書に管理職固有の誓約事項を設けることで、当該従業員に管理職としての自覚を促す効果が期待できる一方、誓約書上の記載だけではハラスメント防止措置義務(労働施策総合推進法30条の2等)を尽くしたことにはならない点に注意が必要である。相談窓口の設置、就業規則上のハラスメント防止規程の整備等、組織的な体制整備とあわせて運用することが前提となる。
第2部F. 外国人労働者向けの追記について 外国人労働者の雇用にあたっては、労働関係法令の適用が国籍にかかわらず及ぶことに加え、入管法・雇用対策法上の固有の義務(在留資格の範囲内での就労確認、外国人雇用状況の届出等)が使用者側に課される。誓約書上の在留資格に関する言及は、労働者本人への注意喚起としての意味合いが大きく、使用者自身が負う在留カードの確認義務・届出義務を代替するものではない。就労規則・雇用契約書との整合、多言語での説明の要否についても、採用する国籍・在留資格の類型に応じて個別に検討することが望ましい。
第2部G. 派遣社員・出向者との違いについて 誓約書は雇用契約関係の存在を前提とした書式であるため、就業先との間に直接の雇用契約関係がない派遣社員に対してそのまま適用することは想定していない。派遣先企業が派遣社員に遵守を求めたい事項がある場合は、労働者派遣契約における秘密保持条項や、派遣元を通じた指導・教育の枠組みを活用することが一般的である。出向者についても、在籍出向か転籍出向かにより出向元・出向先との労働契約関係の状態が異なるため、本誓約書を提出させることの適否は個別の出向契約の内容に応じて判断する必要がある。
第2部H. 情報セキュリティ・データ管理を重視する業種向けの追記について 金融機関、医療機関、人材紹介業等、業法上の規制や個人情報保護法上のより厳格な取扱いが求められる業種では、一般的な誓約事項に加え、業種特有の情報管理ルールの遵守を誓約書に明記する意義がある。もっとも、誓約書における言及はあくまで従業員への注意喚起及び規程遵守の再確認としての機能にとどまり、実際の情報管理体制(アクセス制御、監査ログの取得等)は、業法上求められる水準を踏まえた社内規程の整備によって担保する必要がある。
第4部: 監修者への確認依頼事項
- 誓約書と就業規則・個別の雇用契約との法的効力の優先関係について、誓約書に記載のない事項及び誓約書の記載と就業規則の内容が抵触する場合の整理を、購入者向け解説に補記すべきか確認いただきたい。
- 誓約書のみでは担保できない事項(懲戒処分の発動には就業規則上の根拠規定が必要であること等)について、第3部の解説内容で十分か、追加すべき注意喚起があれば確認いただきたい。
- 第2項の経歴詐称に関する誓約について、健康状態の申告を経歴詐称の対象に含める記載が、労働者のプライバシー・要配慮個人情報の取扱いとの関係で問題を生じないか確認いただきたい。
- 第4項のSNS利用に関する条項について、私生活上の表現の自由との関係で、禁止行為の範囲が広すぎる、又は逆に不明確ではないか確認いただきたい。
- 第7項の副業・兼業に関する条項について、厚生労働省のガイドラインの内容や、原則許可制とすることの妥当性について最新の実務動向を踏まえて確認いただきたい。
- 第2部Bで追加する前職との競業避止・秘密保持に関する誓約について、前職の使用者との間で当該労働者が負っている可能性のある義務内容を使用者が正確に把握できない場面が多いことを踏まえ、条項の記載ぶりが適切か確認いただきたい。
- 本商品の価格帯(980円)を踏まえた収録項目の過不足(今回は10項目)について、実務上他に必須とすべき誓約事項がないか確認いただきたい。
- 第2部D-2のリモートワーク前提採用向けの追記について、情報セキュリティ上の遵守事項として過不足がないか、また私物端末利用(BYOD)を許容する場合の追加条項の要否について確認いただきたい。
- 第2部E-2の管理職・役職者向けハラスメント防止に関する誓約について、労働施策総合推進法上の事業主の措置義務との関係で、誓約書に記載する内容として適切な範囲か確認いただきたい。
- 第9項の個人情報の取扱いへの同意条項について、個人情報保護法上求められる利用目的の特定の程度として、本文の記載(「労務管理、給与計算、社会保険手続その他の人事労務上の業務遂行に必要な範囲」)で十分か、より具体的な記載が望ましいか確認いただきたい。
- 第2部F-2の外国人労働者向け追記について、在留資格確認義務は使用者側にある旨の注意喚起が十分か、また多言語版の要否について商品説明に注記すべきか確認いただきたい。
- 第2部G-2の派遣社員・出向者に関する留意点について、本誓約書の対象を「直接雇用の従業員」に限定する説明が商品ページ上の誤解防止として十分か、派遣・出向のケースに対応する別商品の要否について確認いただきたい。
- 第2部H-2の金融・医療・人材関連等の業種向け追記について、業法上の規制(個人情報保護法の上乗せ規律を含む。)との関係で、誓約書レベルの記載として過不足がないか確認いただきたい。
- 誓約書の取得タイミング(入社時のみか、昇格・異動時にも再取得するか)に関する運用上の推奨方針について、商品の解説文言に企業規模別の目安を追記すべきか確認いただきたい。