セット内容

  • 売買契約書(動産・商品)2バージョン(売主側有利/買主側有利)Word形式
  • 全条項の逐条解説
  • 所有権移転・危険負担条項の解説シート

こんな場面で

卸・仕入取引を行う中小企業、EC事業者が商品の継続的な売買取引条件を明文化したい場面。

特長

  • 所有権移転時期(引渡時/代金完済時)を選択できる条項構成
  • 危険負担・検査通知義務・契約不適合責任を標準装備
  • 継続的取引基本契約としても個別契約書としても利用可能な条項設計
以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

売買契約書(動産・商品)(監修用ドラフト)

⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。

商品ID: baibai-keiyakusho-doosan / 価格: 1,980円 / 立場バージョン: 売主側有利・買主側有利

卸・仕入取引を行う中小企業、EC事業者等が、商品(動産)の継続的な売買取引条件を明文化する場面を想定する。継続的取引基本契約としての利用(個別の発注・受注を別途行う運用)と、単発の個別売買契約としての利用の両方に対応できる条項設計としている。所有権移転時期を「引渡時」とするか「代金完済時(所有権留保)」とするかを選択できる構成とし、危険負担・検査通知義務・契約不適合責任を標準装備する。


第1部: 契約書本文(標準版・中立)

売買契約書(動産・商品)

〇〇〇〇(以下「甲」といい、売主とする。)と〇〇〇〇(以下「乙」といい、買主とする。)とは、甲が乙に対し別紙「取引条件」記載の商品(以下「本商品」という。)を継続的に売り渡し、乙がこれを買い受けるにあたり、次のとおり売買契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的)

本契約は、甲乙間における本商品の継続的な売買取引に関する基本的な取引条件を定めることを目的とする。個別の売買に関する具体的事項(品目、数量、単価、納期、納入場所等)は、本契約に基づき甲乙間で別途締結する個別契約(発注書・注文請書その他の書面又は電磁的記録による合意を含む。以下「個別契約」という。)に定めるところによる。

第2条(基本契約と個別契約の関係)

  1. 個別契約の内容が本契約の内容と抵触する場合、当該個別契約に関する限り、個別契約の定めが優先する。
  2. 個別契約に定めのない事項については、本契約の定めるところによる。

第3条(個別契約の成立)

  1. 乙は、本商品を発注しようとするときは、品目、数量、単価、納期、納入場所その他必要な事項を記載した注文書を甲に交付するものとする。
  2. 個別契約は、甲が前項の注文書を受領した日から〇営業日以内に、承諾の意思表示(注文請書の交付を含む。)をしたときに成立する。甲が当該期間内に諾否を明らかにしない場合の取扱いは、別紙「取引条件」に定めるところによる。

第4条(納入)

  1. 甲は、個別契約に定める納期までに、本商品を個別契約に定める納入場所に納入するものとする。
  2. 甲は、天災地変、輸送機関の事故その他甲の責めに帰することができない事由により納期までに納入することができないときは、遅滞なくその旨を乙に通知し、甲乙協議のうえ納期を変更することができる。

第5条(所有権の移転)

  1. 本商品の所有権は、〔選択A: 甲が本商品を乙に引き渡した時/選択B: 乙が本商品の代金を完済した時〕に、甲から乙に移転するものとする。
  2. 前項において選択Bによる場合、乙は、代金完済に至るまでの間、本商品を善良な管理者の注意をもって保管し、甲の書面による事前の承諾なく本商品を第三者に譲渡し、転売し、又は担保に供してはならない。ただし、乙の通常の営業の範囲内における転売については、この限りでない。

第6条(危険負担)

  1. 本商品の滅失、毀損その他の危険負担は、本商品の引渡し(乙の指定する場所への搬入完了をいう。以下同じ。)が完了するまでは甲が負担し、引渡し完了後は乙が負担するものとする。
  2. 前項にかかわらず、乙の責めに帰すべき事由により引渡しが遅延した場合、当該遅延期間中に生じた危険は乙が負担する。

第7条(検査及び検査通知義務)

  1. 乙は、本商品の引渡しを受けたときは、遅滞なくこれを検査しなければならない。
  2. 乙は、前項の検査により本商品の種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないこと(以下「契約不適合」という。)を発見したときは、直ちにその旨を甲に通知しなければならない。
  3. 乙は、引渡しの時に直ちに発見することができない契約不適合を発見したときは、発見後遅滞なく甲に通知することにより、第9条に定める請求をすることができる。ただし、引渡しの日から〇か月を経過したときは、この限りでない。
  4. 乙が第2項又は前項の通知を怠ったときは、乙は当該契約不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。

第8条(数量不足・品違いの場合の措置)

前条の検査により本商品の数量不足又は品違いが判明した場合、甲は乙と協議のうえ、不足分の追完納入、代替品の納入又は代金の調整その他適切な措置を講じるものとする。

第9条(契約不適合責任)

  1. 引き渡された本商品が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、乙は、甲に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
  2. 甲は、乙に不相当な負担を課すものでないときは、乙が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
  3. 乙が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、乙は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、民法第563条第2項各号に該当する場合は、催告を要しない。
  4. 契約不適合が甲の責めに帰すべき事由による場合、乙は、甲に対し、前3項の請求とともに又はこれに代えて、損害賠償を請求することができる。
  5. 本条に基づく履行の追完、代金減額及び損害賠償の請求並びに契約の解除は、乙が第7条の通知をした日から〇か月以内に、裁判上又は裁判外で行使しなければならない。

第10条(担保責任の制限)

  1. 前条の規定は、契約不適合が乙の指示、乙の提供した材料又は乙の与えた指図によって生じた場合には適用しない。ただし、甲がその指示、材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。
  2. 契約不適合が乙の故意又は重過失による場合、甲は前条の責任を負わない。

第11条(代金)

本商品の代金は、個別契約に定めるところによる。代金には消費税及び地方消費税を含まないものとし、乙は代金に別途消費税相当額を加算して支払う。

第12条(支払方法及び支払期日)

  1. 乙は、甲が発行する請求書に基づき、別紙「取引条件」に定める締日及び支払期日までに、代金を甲が指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は乙の負担とする。
  2. 乙の責めに帰すべき事由により支払が遅延した場合、乙は甲に対し、支払期日の翌日から支払済みまで年14.6%の割合による遅延損害金を支払う。

第13条(所有権留保時の対抗要件等)

第5条第1項において選択Bによる場合であって、乙が代金完済前に第三者から本商品について権利の主張を受けたときは、乙は直ちに甲にその旨を通知し、甲の指示に従い必要な措置を講じるものとする。

第14条(相殺の禁止)

乙は、甲に対する債務について、甲の事前の書面による承諾なく、乙が甲に対して有する債権と相殺してはならない。

第15条(継続的取引の解約)

  1. 甲又は乙は、少なくとも〇か月前に書面で予告することにより、本契約を将来に向かって解約することができる。
  2. 前項の解約は、解約時に既に成立している個別契約の効力に影響を及ぼさない。

第16条(契約の解除)

  1. 甲又は乙は、相手方が次の各号のいずれかに該当したときは、何らの催告を要せず、本契約及び個別契約の全部又は一部を解除することができる。 (1)本契約又は個別契約に違反し、相当期間を定めて是正を催告したにもかかわらず当該期間内に是正されないとき (2)支払停止若しくは支払不能の状態に陥ったとき、又は破産手続、民事再生手続その他の倒産手続の申立てがあったとき (3)手形又は小切手を不渡りとしたとき (4)差押え、仮差押え、仮処分若しくは競売の申立て、又は公租公課の滞納処分を受けたとき (5)解散、事業譲渡又は合併の決議をしたとき
  2. 前項により本契約又は個別契約が解除された場合、解除された当事者は、相手方に対し負担する一切の債務について当然に期限の利益を喪失し、直ちにこれを弁済しなければならない。

第17条(損害賠償)

甲又は乙は、自己の責めに帰すべき事由により本契約又は個別契約に違反し、相手方に損害を与えたときは、相手方に生じた通常かつ直接の損害を賠償する責任を負う。

第18条(不可抗力)

天災地変、戦争、暴動、感染症の流行、法令の制定改廃、公権力による命令処分その他当事者の責めに帰することができない事由により本契約又は個別契約上の債務の履行が遅延し又は不能となった場合、当該事由により影響を受けた当事者は、その履行遅滞又は履行不能について責任を負わない。

第19条(秘密保持)

甲及び乙は、本契約の履行に関連して知り得た相手方の技術上・営業上その他の秘密情報を、相手方の事前の書面による承諾なく第三者に開示又は漏えいしてはならず、本契約の目的以外に使用してはならない。

第20条(反社会的勢力の排除)

  1. 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、自己が暴力団、暴力団員、暴力団関係企業その他の反社会的勢力に該当しないことを表明し、保証する。
  2. 甲又は乙が前項の表明保証に違反した場合、相手方は、何らの催告を要せず本契約及び個別契約を解除することができる。

第21条(権利義務の譲渡禁止)

甲及び乙は、相手方の事前の書面による承諾を得ることなく、本契約上の地位及び本契約に基づく権利義務を第三者に譲渡し、又は担保に供してはならない。

第22条(存続条項)

第9条、第10条、第17条、第19条及び第23条から第24条までの規定は、本契約が終了した場合においても、なお効力を有する。

第23条(協議事項)

本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠意をもって協議のうえ解決するものとする。

第24条(合意管轄)

本契約に関する紛争については、〇〇地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

以上、本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。

〇〇〇〇年〇〇月〇〇日

(甲)住所 商号又は名称 代表者名   印 (乙)住所 商号又は名称 代表者名   印

別紙「取引条件」(対象品目、締日・支払期日、所有権移転時期の選択、検査期間、その他個別契約に共通する条件を記載)


第2部: 立場別修正パターン

A. 売主側有利バージョンへの変更

A-1. 第5条(所有権の移転)を代金完済時(所有権留保)に固定

修正後: 「本商品の所有権は、乙が本商品の代金を完済した時に、甲から乙に移転するものとする。」(選択条項を廃止し、所有権留保を必須化)

解説: 売主が代金回収前に商品の所有権を失わないようにする修正。買主が代金完済前に転売・加工する取引実態がある場合は、通常の営業範囲内の転売を許容する例外を残すかどうかが論点となる。

A-2. 第7条(検査通知義務)の期間を短縮

修正後: 「乙は、引渡しの日から7日以内に検査を完了し、契約不適合を発見したときは直ちに甲に通知しなければならない。当該期間内に通知がない場合、本商品は契約の内容に適合するものとみなす。」

解説: 商法526条の考え方(商人間売買における買主の検査・通知義務、直ちに発見できない瑕疵についても6か月以内)よりもさらに短い期間を設定し、売主の担保責任を早期に打ち切る修正。買主の実務上の検査体制によっては過度に厳しい期間となりうる。

A-3. 第9条(契約不適合責任)の救済手段を追完請求に限定

修正後: 「本商品が契約の内容に適合しないときは、乙は、甲に対し、履行の追完(修補又は代替品の納入に限る。)のみを請求できるものとし、代金減額請求及び契約解除はできないものとする。ただし、甲が履行の追完に応じない場合はこの限りでない。」

解説: 売主の責任範囲を追完請求に限定し、代金減額・解除のリスクを縮小する修正。買主側の交渉力が弱い取引で採用されうるが、民法上の買主の権利(562条〜564条)を一方的に制限する内容であるため、独占禁止法上の優越的地位の濫用に該当しないか慎重な検討を要する。

A-4. 第12条(支払期日)の前払い化

修正後: 「乙は、個別契約成立時に代金の全部又は一部(別紙に定める割合)を前払いするものとし、残額は納入後〇日以内に支払う。」

解説: 売主が代金回収リスクを軽減するための修正。継続的取引の初期段階や与信情報が乏しい新規取引先との取引で採用されうる。

A-5. 第16条(契約の解除)の解除事由に売主の任意解除権を追加

追加条文例: 「甲は、乙の信用状態に重大な懸念が生じたと甲が合理的に判断したときは、乙に事前に通知のうえ、個別契約の全部又は一部を解除し、又は納入を停止することができる。」

解説: 売主が買主の信用悪化の兆候を捉えて機動的に取引を停止できるようにする修正。「合理的に判断した」の基準が曖昧であるため、恣意的な運用とならないよう運用基準を別途定めることが望ましい。

B. 買主側有利バージョンへの変更

B-1. 第7条(検査通知義務)の期間を延長

修正後: 「乙は、引渡しの日から〇か月以内に検査を行うものとし、直ちに発見することができない契約不適合については、引渡しの日から1年以内に発見し通知したときは、第9条の請求をすることができる。」

解説: 買主が実際に商品を使用・加工する過程で契約不適合が判明するまでに時間を要する実態を踏まえ、通知期間を長く確保する修正。売主にとっては担保責任を負う期間が長期化するため、価格転嫁とセットで検討されることが多い。

B-2. 第9条(契約不適合責任)に損害賠償の上限撤廃を明記

修正後: 「契約不適合が甲の責めに帰すべき事由による場合、乙は、甲に対し、本商品の代金額にかかわらず、契約不適合により生じた通常損害及び特別事情による損害(甲が予見し、又は予見し得た場合に限る。)の全部を請求することができる。」

解説: 買主が契約不適合により生じた転売先とのトラブル等の派生損害まで請求できるようにする修正。売主にとっては責任範囲が拡大するため、売主側バージョンの上限設定条項とは対照的な内容となる。

B-3. 第5条(所有権の移転)を引渡時に固定し、危険負担も引渡時に統一

修正後: 「本商品の所有権は、甲が本商品を乙に引き渡した時に、甲から乙に移転するものとする。」(所有権留保の選択肢を削除)

解説: 買主が引渡しと同時に所有権を取得し、担保設定や第三者への処分について制約を受けないようにする修正。所有権留保は買主の資金調達(在庫を担保に供する等)の支障となりうるため、買主側は引渡時移転を強く志向する傾向がある。

B-4. 第4条(納入)に納期遅延時の違約金条項を追加

追加条文例: 「甲の責めに帰すべき事由により納期が遅延した場合、甲は乙に対し、遅延日数に応じ個別契約に定める代金額の日歩〇%相当額を違約金として支払う。」

解説: 買主が納期遵守を強く求める場合の修正。特に季節商品・催事向け商品等、納期遅延が販売機会の喪失に直結する取引で採用されうる。

B-5. 第12条(支払方法及び支払期日)の遅延損害金利率を引き下げ、支払期日を延長

修正後: 「乙は、締日から〇日以内(現行より長期)に代金を支払う。」「遅延損害金の利率は年6%とする。」

解説: 買主のキャッシュフローに配慮した修正。売主側バージョン(前払い化等)とは逆方向の交渉となるため、取引上の力関係に応じて調整される条項の典型である。


第3部: 逐条解説(購入者向け)

第5条(所有権の移転) 所有権移転時期は「引渡時」と「代金完済時(所有権留保)」の2通りが実務上用いられる。所有権留保は売主にとって代金回収の実質的な担保として機能するが、買主が転売・加工を予定している場合には、通常の営業の範囲内での処分を認める例外規定(本条第2項ただし書)を置くのが一般的である。なお、動産の所有権留保について第三者に対抗するための特別な公示方法は限定的であり、対抗要件をどう確保するかは取引の性質によって検討を要する(第4部参照)。

第6条(危険負担) 民法上、特定物・不特定物を問わず、引渡しによって危険が移転する旨の規律(民法567条)に沿った条項である。危険負担の移転時期を「引渡し完了時」とするか「発送時」とするかは、輸送中の事故リスクをどちらが負担するかに直結するため、納入方法(甲による搬入か、乙による引取りか)に応じて明確化しておくことが望ましい。

第7条(検査及び検査通知義務) 商人間の売買においては、商法526条により、買主は目的物受領後遅滞なく検査し、契約不適合を発見したときは直ちに売主に通知しなければ、原則として履行の追完請求等ができなくなるとされている(直ちに発見できない不適合については6か月以内の発見・通知が必要とされる)。もっとも、本契約が商人間売買に該当するか(当事者双方が商人であるか)によって商法526条の適用の有無が異なるため、本条は契約書上の合意として同種の枠組みを設け、適用関係にかかわらず統一的なルールとして機能させる設計としている。

第9条(契約不適合責任)及び第10条(担保責任の制限) 2020年施行の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」として再構成され、買主の権利として追完請求権・代金減額請求権・損害賠償請求権・解除権が整理された(民法562条〜564条)。担保責任の期間制限について、民法566条は種類・品質に関する契約不適合の場合に買主が不適合を知った時から1年以内の通知を求めているが、数量に関する契約不適合や、契約不適合を理由とする損害賠償・解除の消滅時効については別途の考慮を要する(一般の債権の消滅時効の適用関係を含む)。本条第5項の期間制限は契約上の特約であり、法定の期間制限より厳しい特約が常に有効と扱われるとは限らない点に留意が必要である。

第13条(所有権留保時の対抗要件等) 所有権留保は当事者間では有効な合意であるが、買主が第三者に商品を転売した場合や、買主の債権者が当該商品を差し押さえた場合に、売主が留保した所有権を第三者に対抗できるかという問題が生じうる。動産については占有改定による引渡しなど対抗要件の考え方が民法・判例上整理されているが、実務上は取引類型ごとに慎重な検討を要する分野である。

第15条(継続的取引の解約) 基本契約の解約と、既に成立した個別契約の履行義務とは区別して整理する必要がある。基本契約を解約しても、解約前に成立した個別契約に基づく納入・支払義務は影響を受けない旨を明記することで、継続的取引の終了に伴う紛争を防止する。

第2条・第3条(基本契約と個別契約の関係、個別契約の成立) 継続的取引基本契約は、個々の売買条件(品目・数量・単価・納期)をあらかじめ全て定めることが実務上困難であることから、共通ルール(支払条件、契約不適合責任、危険負担等)を基本契約に集約し、個別の取引条件のみを都度の注文書・注文請書でやり取りする構成を採る。この構成により、取引の都度、契約書を作成し直す手間を省くことができる。もっとも、個別契約の成立時期(発注時か、承諾時か)を明確にしておかないと、キャンセルの可否や在庫確保義務の有無をめぐる紛争が生じやすいため、第3条第2項のような承諾(又はみなし承諾)の要件を具体的に定めておくことが望ましい。

第12条(支払方法及び支払期日) 継続的取引においては、個々の納入ごとに請求・支払を行うのではなく、一定期間(月単位等)の取引をまとめて締め、締日から一定期間内に支払う「掛け売り」方式が一般的である。締日・支払サイトの設定は、下請法が適用される取引においては60日以内という規制があるほか、フリーランス新法が適用される取引(相手方が特定受託事業者に該当する場合)でも同様の期間規制が及びうるため、取引の相手方の属性に応じて確認を要する。


第4部: 監修者への確認依頼事項

  1. 第7条の検査通知義務について、商法526条の適用対象(当事者双方が商人であるかどうか)によって本条の性質(法定義務の確認的規定か、独自の特約か)が異なりうるため、本テンプレートの想定利用者(EC事業者、中小卸売業者等)を前提にどのように整理すべきか確認いただきたい。
  2. 第5条第1項の所有権留保(選択B)について、買主が第三者に転売した場合又は買主の債権者が差し押さえた場合に、売主が留保所有権を対抗できるかという論点があるため、対抗要件に関する記載を本条項又は解説にどこまで盛り込むべきか確認いただきたい。
  3. 第9条第5項の権利行使期間の制限について、民法566条(契約不適合を知った時から1年以内の通知)との関係、及び数量不足・権利移転義務違反等、566条の対象外となる契約不適合類型への適用関係を確認いただきたい。
  4. 第10条第1項の「乙の指示、材料又は指図」による免責規定について、民法636条(請負契約における同種規定)を参考にした設計であるが、売買契約における同種の免責の可否・要件について確認いただきたい。
  5. 第12条第2項の遅延損害金利率(年14.6%)について、下請法が適用される取引(資本金区分により該当する場合)における遅延利息の規制(下請法上の遅延利息の算定方法)との整合を確認いただきたい。
  6. A-3(売主側有利パターン、契約不適合責任を追完請求に限定する修正)について、買主の法定の権利(代金減額請求権・解除権)を契約で一方的に制限する内容が、独占禁止法上の優越的地位の濫用又は消費者契約法類似の不当条項規制の観点から問題となりうるか確認いただきたい。
  7. 第16条第1項各号の解除事由について、継続的な基本契約全体を解除する場合と、個々の個別契約のみを解除する場合とで、解除の要件・効果を区別して規定すべきか確認いただきたい。
  8. 本商品が食品、医薬品部外品その他の規制業種に該当する場合、品質保証・トレーサビリティに関する追加条項(ロット管理、回収対応等)が別途必要となる可能性があるため、標準テンプレートの適用範囲(一般消費財を想定)をどのように明示すべきか確認いただきたい。